初めて
”茶の湯とは…茶事!”と言いながら、続けてきたお稽古の一区切りとして、10月の終わりに、茶事を初体験してもらいました。
見て、やって、はじめて分かることがあるのだと思います。
懐石をいただき、主菓子をいただき、濃茶と薄茶のひとときを楽しむと、分かっていても、期待と不安で一杯だったようです。
先ずは前礼
茶事の案内をいただいたら、巻紙に筆を用意して茶事にお伺いする旨を伝えます。昔は直接お伺いして、お伝えしていましたが、今の時代でしたら、メールでつたえてもいいのかもしれません。
でも、やはり、茶事には巻紙に筆でしたためたいものです。字の上手下手ではなく、筆を持つことで伝わる思いがある気がします。
お客様をお迎え
亭主は、茶事の室礼を考え、懐石の献立を決め、庭と茶室を清めて、お客様の到着を待ちます。いらっしゃるお客様に思いを馳せながら、あれこれ考え、忙しく働くのは、幸せな時間です。
名残の茶事
利休百首の中に「茶の湯とはただ湯を沸かし茶を点てて飲むばかりなることと知るべし」という言葉があります。茶の湯は特別のことは何もなく、いたって単純なことだと言っているのです。ただ、日々、お稽古をしていると、何故か当たり前のことや、身体の自然な流れが、思うようにできずにいます。お茶事では、気負いも衒いもなく、ただ茶を点てる心になって、一つのお茶で、お客様とひとときを共に過ごす幸せ感じたいと思います。
今回のお客様は、お茶事は初めてということで、大変緊張されたそうです。それでも、最後には、ぜひ、またお茶事を楽しみたいといってくださいました。
日常の中の非日常で、少しだけ改まった気持ちになりながら、心は解放されていく。そんな時間を主客一体となって作り上げ、豊かな気持ちになる。その様な茶事を目指していきたいものです。
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